「講演会は生き甲斐だ」

アン・クレシーニ

私は、大学で教えながら様々なメディア活動をしています。テレビ。ラジオ。執筆。ナレーション。翻訳。通訳など。けれど、何よりも講演会が好きです。本業を除いて、講演活動は一番やりがいのある仕事です。やりがいがあるからかもしれませんが、ほとんど緊張しましせん。多分、総理大臣の前で話す機会が当られても、緊張はしません。

私は子供の頃、ひどい吃音に悩まされました。だから人の前で話すことは好きではなかったです。音読、スピーチ、プレゼンテーションなど、あまりやりたくなかったです。もしうまく話せなかったり、噛んだりしたら、恥ずかしいので、できるだけ人前で話すことを避けました。

小学校と中学校では、プロによるスピーチ訓練を受けた結果、ちょっとずつスムーズに話せるようになりました。発話の問題になる音を予測できるようになり、その音を他の音に入れ替える習慣が身に付きました。

不思議なことに、大人になったら毎日人前で話さないといけない職につきました。けれど、もっと不思議なのは、大学の授業をしている時、吃音は殆ど問題にはならないということでした。

2018年に、TEDxFUKUOKAで人生初の日本語のプレゼンをしました。3ヶ月ずっと練習したおがけで、本番はバッチリでした。あれからずっと人の前で話すことが好きで、人前で話す技術を磨いています。

世界中どこにでもパブリックスピーキングを恐れている人はたくさんいます。噛んだら恥ずかしい。うまくできなかったら自信がなくなる。頭が真っ白になったら嫌だ。などなど、ありとあらゆる不安があります。その恐怖を乗り越える戦略はたくさんあると思いますが、私はこれが一番大事だと考えています:

「今日は、私が一番大事だと思っていることついて、話す機会が与えられているんだ!」というふうに考えること。

つまり、「話さないといけない」じゃなくて、「話す恩恵を受けている」というふうに考えています。つまり、ネガティヴに考えるのではなく、ポジティブに考えます。だって、参加者のだれもが、私の話を60分もしく90分、熱心に聞いてくださるのです。なんという大きな恩恵でしょう!それについて考えるだけで私はワクワクします。その限られている時間を大事に扱っていきたいと思います。

あのマイクを握ると、私は自分の世界に入ります。水を飲むこと、むしろ呼吸することでさえ、忘れるぐらい話に夢中になります。

過去7年間、私は200回以上講演会をする機会を与えられました。毎回が、私にとって貴重な経験であり、大きな恩恵です。これからもずっとこの気持ちを持ちながら、講演会をやっていきたいと思います。

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